空に太陽がある限りなど不思議な話 や都市伝説・意味がわかると怖い話のサイト

空に太陽がある限り

公開日: : 不思議な話 |49 view

空に太陽がある限りって歌知ってるよな?
スター(笑)にしきののあれ
あれを耳元で歌われた事あるんだわ
五十代くらいのおばさんに
最初は気のいいおばさんだとおもってた。
いわゆる俺、フリーターってやつでさ。
バイト先で知り合ったのよ。
面倒見もよくて、朗らかで気さく。
非の打ち所のない先輩パートさんってのが第一印象。
色々恩があったけど、返す前に新しい(給料の良い)職場みつかって、俺あえなく退職。
ところが新しい職場に慣れた頃。
新しいバイトの人が来て、それがそのおばさんだった。
縁があるなあと思いつつ、前の恩返すぜと熱心にマニュアルよりさらに実践的なことまで熱心に教えたよ。
年いってる割におばさん物覚えよくてさ。
みるみるうちに力つけていったから、嬉しかったなあ。
お返ししてたはずなのに、俺の方が喜んでちゃ、お返しにならんよね。
ところがまた、俺もっといい時給のとこ見つけて、採用試験も受かっちまったんだよね。
そこでまたおばさんとバイバイした。
そのバイトはさ、ホスト。
初月時給二千円スタートのそこは、俺の目的にもあってた。
店のNo3をキープしてるインテリ系の兄貴に気に入ってもらえて、
ヘルプについたりしてるうち、酒に酔っても理性は失わないくらいには仕事にもなれたよ。
その頃におばさんが店に顔を出すようになった。
最初は我が目を疑ったよ。
化粧っけのない、財布だって軽い身分で、こんなとこにくるんだ。
いくら俺の入ったクラブってのがリーズナブルとはいえ、一応名店入りしてるとこ。
一時間いて十分間俺と話せたとしても、一万円程度の出費は毎回かさむ。
月四回もきてたらおばさんの生計が成り立たないってのは他人の俺からでもわかる。

そして熱唱事件がおこった。

ある夜いつもよりおばさんはずっと長くいた、そして空に太陽がある限りをうたった。
俺はおばさんに肩を抱かれ、べったりって状態だった。正直、心底気持ち悪かった。
離せよってついいっちゃったよ、そうしたら離さないっていうんだ。
「このストーカーッ!」
って思わず叫んだ、店内が騒然となった。
振り払って席を立つと、おばさんがじっと俺を見上げて穏やかな表情してた。
兄貴が俺の横に立ったけど、俺を助けようというよりはおばさんの言い分を聞きに来た感じだった。
「あなたには関係ないもんね。でも最初のバイトで知り合った時、別居中だった夫と子供が事故で死んだのよ。
おばさんその日、君がインフルエンザで寝込んでて、代理で出勤してたから、死に目にもあえなかった。」
恨みか、と思った。
「愚痴をいってるわけじゃないのよ。
ただ、おばさん生き甲斐をなくしちゃって、そんな時、君がなんだか、子供のように思えたの。」
言葉が出なかった。
「どうして、こんな所きちゃったの?
おばさん、ここにくるのにも大変だったのよ?一種の詐欺師じゃない。
おばさんは了解の上だけど、好きって君がいう言葉本気にしちゃってる子結構いるんじゃない?」
一番言われたくない事を言われてしまった。
うろたえた俺は下げられた後、店外でおばさんと会った。
おばさんがいうには、二番目の再会の時は、まるで息子が昇進したような気分になって。
ついその晴れ姿を間近で見たいということで、同じ職場の募集に応募したらしい。
そこで、俺が新しい稼げる職場に移ると伝えた時、そういえば手を叩いて喜んでた。
でも、その内容がホストだったと聞いて、おばさんは俺に注意しにきたんだろう。
実際に金を湯水の如く使わせられる一人に徹して、俺にこれが悪い事だと身を持って教えてくれたんだろう。
俺は、親からついだ財産の中に思いも寄らない借金があって。
信用情報機関に問い合わせたら簡単にわかる類のもので、
大企業や安定した企業からは内定がもらえなかったことを説明した。
「だからってダメなのよ。
人を騙すような商売に手を染めちゃ。」

あれから二年、おばさんは死んでしまった。
彼女は自分の遺産の名義を俺にしてくれていた。
俺の借金はそれで半分ほどになった。
おばさんにいわれてホストをやめてから、正直利子分+すずめの涙ほどでしか返済ができてなかったが、
ようやく元金がきちんと減っていくようになった。
冥界にも太陽はあるのだろうか、俺はおばさんが死んでからも分不相応な愛情を注がれて今希望を見ている。

自分なりにこの体験に一言感想を添えるなら。
切迫した事情があったといえ、口先三寸で人を食い物にする商売に手を染めた事が恐ろしい。
何より許し難いのは、こんなにも想われていて、その相手を公衆の面前でストーカー呼ばわりしてしまったことだ。
そして歯痒いのは、一度窶した身はなかなか再起が難しく。
俺はホストをこそやめたものの、アニキが独立してつくった店で黒服をやっている。

空に太陽がある限りの情報や不思議な話の不思議な話のまとめや実話、ランキングや短編長編など「怖い話・心霊話・都市伝説投稿サイト

にほんブログ村 哲学・思想ブログ 心霊・怪談へ にほんブログ村 2ちゃんねるブログ 2ちゃんねる(オカルト・怖い話)へ

Comment

  1. 匿名 より:

    更生せい。なんちゃって(;_;)

  2. まさ より:

    これはどっちかというと感動する話ダネ

Message

メールアドレスが公開されることはありません。

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <s> <strike> <strong>

関連記事

哀しい先輩

俺の職場での話。 俺の職場の先輩は面倒見がいいし、仕事もスゲーってほどじゃないけど、確実で取引先

記事を読む

透明人間になる服

俺には中学のころからの付き合いの親友がいる。 大学も同じところに進学し、会社も同じところに入った

記事を読む

クラス怪

よく怖い話で友人だと思っていた奴が実は最初から存在しない人間だった、と言う話を聞く。 所詮

記事を読む

パチ屋隣のランドリー(投稿作品)

俺の住んでる県は、別名パチンコ県。 ホントそこらじゅうパチ屋だらけで、何でこんな場所に建てたの?っ

記事を読む

俺は誰?(ユーザー投稿)

俺は夜勤していて、残業なければ朝の7時には帰宅出来ます。 普通に7時15分くらいに家についた。

記事を読む

呪われたわたし

私が小3の夏休みの時に、学校で流行っていたこっくりさんを友達と夜の時に、やっていたら、急に部屋全体が

記事を読む

黒い人(投稿作品) ※長文

ようやく気持ちが落ち着いたので、厄落としの為にも書いてみます。 長文な上にあやふやな所もあり、ぐだ

記事を読む

葬式のCM

友人の体験したことなんですが、6年くらい前、 24時くらいにふとテレビをつけたら、テレビ番組ではな

記事を読む

お経に聞き入る猫

昨年お盆にお墓参りに行ったときのこと、近くのお墓(もちろん知らない お家のお墓)に住職さんと初老の夫

記事を読む

きよみちゃん

107 ぶるぶる 02/08/20 02:01 私が小学校三年生位の時の話です。 そのころ

記事を読む

配達の仕事をしていたら

前の話(詳細は電車のつり革)からだいぶ時間がたち、私も仕事が変わりまし

狙われる路上の宗教勧誘

路上の宗教勧誘ってどう思いますか? ウザいですよね。メンドイですよね

呪われたわたし

私が小3の夏休みの時に、学校で流行っていたこっくりさんを友達と夜の時に

呪われたわたし

私が小3の夏休みの時に、学校で流行っていたこっくりさんを友達と夜の時に

呪われたわたし

私が小3の夏休みの時に、学校で流行っていたこっくりさんを友達と夜の時に

→もっと見る

  • 皆様の怖い話の投稿お待ちしております。

  • 人気ブログランキングへ
  • 20代後半結婚適齢期の家事手伝い。最近の趣味は廃墟めぐり。
    皆様の怖い話の投稿お待ちしております。

    相互リンク・RSS大募集中です
    こちらのフォームまでお気軽にご連絡ください
    ご連絡いただかなくとも、こちらでアクセスランキングを見て定期的にアクセスがあることを確認しましたらリンク・RSS登録致します。

    当サイトのご利用は、自己責任でお願いします。当サイト及び外部リンク先のサイトを利用したことにより発生した、いかなる損失・損害についても当サイトは一切の責任と義務を負いません。

  • ブログパーツ

PAGE TOP ↑