狐火など心霊現象 や都市伝説・意味がわかると怖い話のサイト

狐火

公開日: : 心霊現象 |62 view

「お母さん、神社の方に遊びに行ってきてもいい??」

「いいけど、暗くなる前にちゃんと帰っておいでね」

田舎の夜は早い。
夕闇に包まれ、辺りが薄暗くなっても戻ってこない我が子を心し、母親は神社まで我が子を探しに行った。

「○○~!○○~!」
だが、子どもの返事はない。

母親は神社に祀られていたお稲荷様に向かって
「どうか。○○が無事帰ってきますように」と手を合わせて祈った。

その像は青白い月に照らされ、ボウッと輝くようであった。

母親がふと、神社の敷地内にある井戸に目をやったとき、その側に見覚えのある草履があるのが見えた。

「あっ!!○○!!」
母親は、思わず井戸に駆け寄り、井戸の中を奥まで覗き込んだ。

神社の脇から入ることの出来る山で夢中になって遊ぶうちに、気づくと、夜になっていた。大分奥まで入ってしまったらしい。子どもの記憶力には限界がある。帰り道がわからない。。。。。

月が辺りを照らしているといえど、子ども心に恐怖心と、不安感が募っていく。

「お母さん。お母さん!」
何度叫んでも、子どもの前に、愛しい母親の姿は現れなかった。

少年は、うずくまって
泣いていた。

「○○ちゃん」
ふいに、頭上から懐かしい声が響いた。
「お母さん!」
見上げると、いつもの穏やかな母親の顔がそこにあった。

「心配したんだよ、さあ帰るよ」

「ゴメンナサイ。。」

母親は怒ることもなく、ただ優しく微笑むと、少年をおぶった。

心地よい母親の背に揺られ、子どもの意識が眠りに入りはじめた頃、不思議なものをみた。
それは、青白い幾つもの炎が、ゆらゆらと斜面に沿って、揺らいでいた。

「お母さん。あれは何」

「狐火だよ。誰かが死ぬと、狐が悲しんで、火を灯すのさ」

「ふうん」

青白い炎と月に照らされ、少年は母親ほ方へ視線を戻した。

「わっ!!」
少年は声にだせず、ただただ驚いた。
母親が、狐面を被っていた。
嘘だと思い、もう一度見直してみると、次はいつもの母親の顔があった。

背に揺られ、少年はいつの間にか眠ってしまった。

あれは、きっと全て夢だったのだろう。

月日は流れ。。。

「おばあちゃん。遊びましょ」

「おばあちゃん、ずっといなかったね。どうしてたの」

「へえ病気だったの?もう治ったの?」

「また色んな遊び教えて」
老婆の住んでいる家には、毎日のように近所の子ども達が遊びに来ていた。

「うるせえなぁ、なんだってウチのばあちゃんは子ども達にああモテるんだよ、こっちは試験勉強だっていうのに」

「あら、そんな事いってもあなたもおばあたちゃん子だったじゃないの、ほら、よくお稲荷様に連れて行ってもらったりして」

菓子と茶を運んできた母親が言った。

「ちぇ、そんなこと忘れたよぅ」

そう言いながらも、少年の胸には祖母との懐かしい思い出がよぎっていた。

「大分、悪いようですねぇ、どうにか冬は越えましたが、お年ですし、心臓もかなり弱ってきています」

町の医者が男性に伝えた。

「あの、おふくろが油揚げ好物なんですが、やっぱり良くないんでしょうか」

「そうですねぇ。。しかし、残り少ない人生ですから、好きなものをうんと食べさせてあげて、喜ばせてあげる方が良いのかもしれないですね」

帰路につきながら、男性は思っていた。

「おふくろ、そんなに悪かったのか。。思えば、何も親孝行できなかったな、家族旅行も留守番させたりして。せめて今の元気な内におふくろを温泉に連れて行ってゆっくりさせてやろう」

家に着き、彼は自分の提案を家族に話した。

「実は、おふくろを温泉に連れて行ってやりたいんだが」

「そりゃあ良いよ。父さん、ばあちゃんも喜ぶよ、温泉につかってもらって、うんと長生きしてもらわなくちゃね」

「ええ、あなた、そうしてさしあげて」

その日の夜、男は母親の寝ている姿を見ながらふと、少年時代の思い出が蘇った。

少年が小学生の頃、戦争で父親が死に、母親は町の酒場で働いて、彼を育てた。

少年が布団の中でまどろんでいると、野太い声の男と共に、母親の帰って来る靴音が響いてきた。

「またお客さんと一緒かぁ」

「静かにしてよ、子どもが寝てるんだから」

そう言った、母親の影が障子に映ったとき、狐のように見えたのは幻か。

今から思えば、田舎にいたころの母親と酒場で働いていたときの母親は別人のようであった。そして、母親の周りには金回りのよさそうな男たちがウロウロしていた。母親は不思議なくらい男にモテていたのだ。

「じゃあ、行って来るよ」

「これ、おばあちゃんの好きな油揚げ、途中で食べてね」

「ばあちゃん、ゆっくりしてきて」

駅までの道のりを母親と歩く息子。

「なにも、会社まで休むことなかったのにさ」

「いえいえ、たまには孝行させて下さいよ。母さん」

「おや、坂だ。母さん、おぶりましょうか」

「いいよ、そんなみっともない」

「言ったでしょう。孝行させて下さいよ。親子なんですから」

そう言うと、母親は少し照れたように、息子の背におぶさった。

「おふくろ、こんなに軽くなってたのか。昔はよくおんぶしてもらってたっけ。。」

息子の目に、うっすらと涙が滲む。

母親を背負いながら息子は、どこまでも続く長い阪を登っていく。

息子がかつて住んでいた田舎には、親をなくした子どもを狐が育てると言う言い伝えがあった。。。

狐火の情報や心霊現象の心霊現象のまとめや実話、ランキングや短編長編など「怖い話・心霊話・都市伝説投稿サイト

にほんブログ村 哲学・思想ブログ 心霊・怪談へ にほんブログ村 2ちゃんねるブログ 2ちゃんねる(オカルト・怖い話)へ

Comment

  1. 匿名 より:

    西岸良平さんの漫画でみたきがする。

  2. 匿名 より:

    西岸良平さんの漫画でみたきがする

  3. 匿名 より:

    母親は井戸に落ちて死んだってことか?

Message

メールアドレスが公開されることはありません。

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <s> <strike> <strong>

関連記事

八尺様

親父の実家は自宅から車で二時間弱くらいのところにある。 農家なんだけど、何かそういった雰囲気が好き

記事を読む

降って沸いた心霊現象

昔付き合ってた彼女の影響で、視界の端っこのほうに本来見えてはいけない 人たちが見えるようになって

記事を読む

間に合わず

これ去年にあった話なんだけども、うちの近所(まぁ近所と言っても3駅ほど離れてるんだが)にちょっとした

記事を読む

有名なホテル

俺が高校の時の話。 修学旅行の行き先がオーストラリアだった。 それで2日目の夜、ホテルでトイレに

記事を読む

夜の女(投稿作品)

これは母から聞いた話である。     昔、アパートで一人暮らしをしていた母。     今

記事を読む

ひとりかくれんぼ[2]

140:本当にあった怖い名無しsage2007/04/21(土) 05:31:24 ID:KxrVt

記事を読む

色街

この話は何年か前に他の板で書いた話に後日談を加えたものです。 時間が経ったのでディテールが若

記事を読む

首のない警官

私はある離島の駐在所に、勤務しております。 この駐在所に来る前は、派出所に勤務しておりました。

記事を読む

心臓が凍りついた話

去年の夏に海に行った時の心臓が凍りついた話 友達の祖父の家が海の近くにあるんだが、毎年の様に

記事を読む

裸の女

一ヶ月前に引っ越した兄貴から、引っ越すから手伝ってという電話があり 朝から弟と二人で兄貴のマンシ

記事を読む

知らない電話番号

知らない電話番号から着信があり、折り返し接続すると高額な課金回線に接続

お面の神様

俺が小学生の頃の話。 昔っから絵を描くのが好きだったんだ。コンクール

配達の仕事をしていたら

前の話(詳細は電車のつり革)からだいぶ時間がたち、私も仕事が変わりまし

狙われる路上の宗教勧誘

路上の宗教勧誘ってどう思いますか? ウザいですよね。メンドイですよね

呪われたわたし

私が小3の夏休みの時に、学校で流行っていたこっくりさんを友達と夜の時に

→もっと見る

  • 皆様の怖い話の投稿お待ちしております。

  • 人気ブログランキングへ
  • 20代後半結婚適齢期の家事手伝い。最近の趣味は廃墟めぐり。
    皆様の怖い話の投稿お待ちしております。

    相互リンク・RSS大募集中です
    こちらのフォームまでお気軽にご連絡ください
    ご連絡いただかなくとも、こちらでアクセスランキングを見て定期的にアクセスがあることを確認しましたらリンク・RSS登録致します。

    当サイトのご利用は、自己責任でお願いします。当サイト及び外部リンク先のサイトを利用したことにより発生した、いかなる損失・損害についても当サイトは一切の責任と義務を負いません。

  • ブログパーツ

PAGE TOP ↑