縁(えにし)など怖い話 や都市伝説・意味がわかると怖い話のサイト

縁(えにし)

公開日: : 怖い話 , , , |246 view

もう随分と前に亡くなったウチの爺さんなんだが、
変に、と言うかオカルト方面になんか詳しかった。
ついでに数学にも長けてて、俺はよく教わった。(これは多分関係ナイ)
爺さん曰く、「あーゆー手合いは抽象的な説明が云々」との事。
んで、記号とか使って説明してくれたのよね。紙に書いてさ。

俺もオカルト関係が大好き……まぁ興味心身だったもんで、
それで色々聞いてたのよ。解らないなりに。爺さんもノってたし。
あれはどう、これはどう? って。

それで、爺さんが一つのお話をしてくれたのよ。
これはそんな話

人には本能がある。まぁこれは誰もが知っていることだ。
でも、それも時代を経ていく毎に随分薄くなってしまって、
所謂退化してしまったらしい。

その退化してしまったモノの中でも、今でも強く残っているのがあって
人間の『危機を察知する本能』が挙げられるんだと。

「あ、ヤバイ」って思うと大抵それが惨事にぶち当たったりするやつ。
まぁ人間も動物だからそう言うのが強く残っていて当たり前なんだが、
爺さん曰く、目に見えないものでも本能が回避するんだと。

だからオカルトオカルトって言っても大体のヤツが認知しないし、
遭遇もしないから認知されない。言ってる奴が基地外扱いされる。
そりゃそうだ。そんなのに毎回毎回遭遇するのは相当運が悪いか、

もしくは『遭遇する事を自分から望んでる』奴、

あるいは『遭遇する事が予め決定している』奴、なんだそーで。

遭遇しないのが当たり前だし、そう言う“脅かす”のとは
縁を繋がないようにして安全を図っているらしい。

でも人間、好奇心が強い。自分が知らない世界を視たがり知りたがる。
わざわざ回避してるのにも関わらず、自分から遭遇したがる。
爺さんはここまで言って、「ワシもそうじゃ」と呟いた。

でも俺には「お前は賢いから口にせんし、縁も繋ぎたがらんのぅ」って言う。
オカルト好き、てか怖い話が好きな俺にそれはどうかと言ってやったのよ。

すると爺さん反論。

「何故霊能力者とか言ってる奴等が自分が見た拙い災厄や悪霊なんつーのを
 口にしたがらないのか解るか? ふつーに考えてやったんなら、
 教えてやった方が親切じゃろ? よー考えてみぃ、違うか?」

まー確かにそうですな。うんうん、と俺は頷いた。

「理由は二つある。一つはそういった災厄や悪霊を自分に招かない為じゃ。
 口にするだけで縁(えにし)は繋がる。未だ方向性が決まらぬ悪意や憎悪は、
 繋がれた道を歩いてくる。そうして辿り着くと、苦しみを撒き散らすのじゃよ」

「似たようなモノに“じゅ”(多分“呪”と書いてじゅと読むんだと思う)があるが、
 そう言うのは己の悪意を直接相手に繋ぐ。そうして相手を苦しめるわけじゃ。
 これが強すぎると相手は散々苦しんだ挙句に死ぬ。
 じゃが繋いだ縁を渡って自分に返って自分自身も死んでしまう。
 これが人を呪わば穴二つの意味じゃよ。その苦しみは殺した業を含めて倍になる」

なるほど。そう言うことなのかと、俺は納得した。

「そしてもう一つ」

俺はゴクリと唾を飲んだ。

「業を招く」

「それって……どういう意味なん?」

「旅は道連れ、世は情けと言うじゃろ。要するに、連 帯 責 任 じゃ。
 その苦しみ、その責め、その業を分かちあってしまうということなんじゃよ」

「そんなん視るだけの奴にゃ手に負えんし、関わったばっかりに死んじまうこともある。
 なまじ理解しちまうせいでな。だから本当に力の在る奴しか口にしちゃいかんし、
 そう言うのを生業にしてる奴らもわかっとる。だから口にせんのじゃよ」

「爺ちゃんにゃあったん?」

「ワシにゃ無い。無かったが理解できる。なんとなしに……お前と一緒でな。
 だから、考えても口を利くな。招くぞ。神も妖も霊も同じ。言葉は一つの呪いと考えとけ。
 口を利けば、彼岸の向こう側から縁を結んで招かれる。古くから人に都合の良い神を招くのは祝詞じゃしの」

おいおいマジですか。と、心の中で呟きましたさ。

「でもな……」

ここで爺さん、妙に神妙な顔付きになってしまいまして。

「理解するこたー悪いことじゃねぇ。それが救いになるこたぁある。
 だが一線越えちゃなんねぇ。ワシゃ知っておるからの、越えた奴ぁ……

 確 実 に 死 ぬ ん じゃああぁぁぁああぁぁあああああああああ!!!!!!111! !」

んで、すげーわざとらしくコホンと咳払いしやがりまして、

「……例外は定め付けられ、仏の御心を持った人間だけよ」と締めくくった。

こん時の爺さん……怒ってるのか、泣いてるのか、笑ってるのか、いやきっと全部なんだろうな……。
例えようの無い顔ってこういうのを指すんだって。全身を恐怖の針で刺された感じで動けなかった。
ありえないぐらいのリアクションと大声が小便チビリそうになるぐらい怖かったです。

「……ま、蛇足ではあるが。一度繋いだ縁は双方が交わりを望まぬと誓わぬ限り切れん。
 それほど強いつーことじゃ。また招く、縁を繋ぐ、これは繰り返すことによってより強くなっちまう。
 一度視た深遠を何度も覗く羽目になるというのは、こういうことじゃよ。何度も覗いた奴ぁ不幸だけが降り注ぐ」

「生きてる人間にゃ、真っ当に生きる資格があると同時に義務がある。
 その分を越えてはならんのじゃ。解ったか? ○○(←俺の名前です」

俺を脅かすだけ脅かして、ハッハッハと爺さん笑いやがりましたよ畜生。
俺的にはガクブルものでした。喉がカラカラで何にも喋れなかったし、くそぅ。

以上です。他にも爺さん絡みで色々あったんですが。機会があれば、また。

縁(えにし)の情報や怖い話の怖い話のまとめや実話、ランキングや短編長編など「怖い話・心霊話・都市伝説投稿サイト

にほんブログ村 哲学・思想ブログ 心霊・怪談へ にほんブログ村 2ちゃんねるブログ 2ちゃんねる(オカルト・怖い話)へ

Comment

  1. 匿名 より:

    は?

  2. KOT より:

    上に同じです。てっきり一線を越えてしまった人の話をするかと思ったら…

  3. 鰐魚 より:

    面白かった。
    オカルトをシステム・機構的な面から見るっていうアプローチはあんまり見かけないから新鮮。

    こういう話がたくさんあれば、心霊現象のプロセスが形式化できてわかりやすくなると思うんだが。

Message

メールアドレスが公開されることはありません。

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <s> <strike> <strong>

関連記事

地元の病院(投稿作品)

まだ地元(大阪の)にいたころ。 夜中に、待ち合わせて遊びに行こうって話になりました。 あ

記事を読む

これはまだ僕が京都で大学生だった時の話です

当時バンドを組んでいた僕は週末の夜になるとバンドメンバーとスタジオに入り練習をしていました。

記事を読む

お前らだよ

夏のある日2組のカップルが海水浴に出かけました 仮にA君、A君の彼女、B君、B君の彼女とします。

記事を読む

バス停の女[2]

二度目 その翌週の金曜日。またもや帰宅が遅くなった孝史は、先週の事を思い出しながら 車を

記事を読む

自分を探す先輩

昔の話だが 中学校の理科室で、先生にことわって実験させてもらったんだよ、夏休みに。 午前

記事を読む

首絞めオジサン

俺がまだ小学生だった頃のリアル体験談。 小雪がぱらつく中、俺は二つ年下の弟と一緒に外へ遊びに

記事を読む

トンネルを抜けると・・・

もうだいぶ前の話 買い物の帰りに姉を見かけちょっと脅かそうと思って後をつけて行った 姉はどん

記事を読む

【住職シリーズ】交通整備員

信じるか信じないかは別として知り合いに変わったやつがいる。小学校時代からの友人で、現役の住職をやって

記事を読む

迷路

ケンちゃんがいってた、 『あっちの裏山は変なにおいするぞ、ひとつも木が生えてん場所すっぱいにおいす

記事を読む

トラウマな話。

六年前(当時高一)の夏休み、三人の友達と海釣りに行った。 海までは自転車で小一時間(校則でバイク

記事を読む

監視カメラ 障害報告

1.タイトル  ○○様 倉庫内 監視カメラ正副故障 2.障害発

電車のつり革

仕事帰りのある日、いつものように終電に乗って家に帰ることにしました。

濡れたチケット

以前、某コンサートホールでバイトをしていました。 そのときの経験

お姉さん

オレの叔母さんから聞いた話。 叔母さんが一人暮らしをしている息子

家電量販店B

 家電量販店Bはお客さんとしてお店に行くには問題ありません。  しか

→もっと見る

  • 皆様の怖い話の投稿お待ちしております。

  • 人気ブログランキングへ
  • 20代後半結婚適齢期の家事手伝い。最近の趣味は廃墟めぐり。
    皆様の怖い話の投稿お待ちしております。

    相互リンク・RSS大募集中です
    こちらのフォームまでお気軽にご連絡ください
    ご連絡いただかなくとも、こちらでアクセスランキングを見て定期的にアクセスがあることを確認しましたらリンク・RSS登録致します。

    当サイトのご利用は、自己責任でお願いします。当サイト及び外部リンク先のサイトを利用したことにより発生した、いかなる損失・損害についても当サイトは一切の責任と義務を負いません。

  • ブログパーツ

PAGE TOP ↑