壁の穴など怖い話 や都市伝説・意味がわかると怖い話のサイト

壁の穴 (kさんからの投稿)

公開日: : 怖い話 |628 view

前に叔父から聞いた話を紹介したいと思います。

おそらく二、三十年前、叔父が様々な地方を巡って仕事をしていたころ、ある地方都市で一週間、ビジネスホテルで生活しながら働くことになった。
叔父はそのホテルの近くに、変わった古着屋が建っているのを見つけた。

そこは一階が古着屋、中の階段を上がった二階がレコード屋になっている店で、二階に中年のおじさん、一階に若い店員がいたという。
店の雰囲気から、中年のおじさんの方が二つの店の店主らしい。
どちらも古びた洋風の内装とやや暗い照明で、扱っている品とはギャップのある、レトロというよりアンティーク調の不思議な雰囲気を出していたという。

そこの店では、叔父の好きな六、七十年代の洋楽がいつも流れていた。
有線か、店主が趣味で編集したテープを流しているのだろうと叔父は思った。
叔父は古着に興味はなかったが、レコードと店の雰囲気で通っていた。

叔父は仕事の最終日に、レコードでも何枚か買っていこうと思い、夜その店に行った。
店に入ると、今日並べたばかりらしい古びた感じのジャケットが売られていた。
普段そんなものを着ないはずの叔父は、何故か妙に惹かれてそれを眺めていた。

ちょうどその時、聞き覚えのある音楽が流れてきた。
しかし、叔父はその曲の名前が頭に浮かんでこなかった。
(聞いてみると、「ブッチャーのテーマが入ってたやつの南国リゾート風の曲」
と言っていたので、多分ピンク・フロイドの「サン・トロペ」)
叔父は少し悩んだ後、上のレコード屋で確認しようと階段に目を向けた。

すると、階段の横の壁に見たことのない穴が開いていた。
床から少し上の所を、爪先で何度も蹴って開けたようなでこぼこした横長の穴だった。
叔父は一瞬戸惑ったが、普段はそこに段ボール箱が置いてあるので分からなかったことに気付いた。
しかし、何故壁を直さずにに段ボール箱を置くだけでで済ますのか。
不思議に思いながら階段へ行こうとした時、穴からノソッと何か出てきた。

叔父には最初、変な生き物に見えた。よく見るとそれは、手のようなものだった。
穴から手首の先だけ出して、下に掛かった物を取ろうと指を動かしているように見える。
しかし大人の手より明らかに大きい。手は何かの病気のように気味悪く黄ばんだ色で、爪も土を素手で掘った後のように黒くぼろぼろだった。
どの指も太さも長さも同じぐらいで、親指と小指の区別もつかない。
指の生え方が違うのか、普通の手より完全な左右対称に見えるのが余計不気味だった。
また、中指の付け根がちらつくので、指輪をしているように見えた。

叔父はしばらくそれを見ていたが、もっとよく見ようと近づくと、穴の中に消えた。
あまりに変なものだったので若い店員のほうを見たが、怪訝な顔をされた。
ちょうどそこに、何か用があったのか2階の店主が階段を降りてきた。
店主に今見たものを知らせようと、声をかけて穴を指さした時、

穴から指が二本伸びてきて、ぴくぴくと指先を曲げながら左右にゆっくり揺れていた。
こちらを窺うような、虫の触覚の様な不気味な動きだったという。
しばらくその動きを続け、自分のすぐ横にいる階段の途中の店主を向くと、指はまた穴に戻った。

さすがに気味が悪くなった叔父は、それ以上何も言わず入り口に向かった。
その直後、「お前箱どうした!」という大声に驚き振り向くと、店主が階段で穴を睨んだまま、若い店員が慌てた様子で段ボールを穴の前に置きに行くのが見えた。

「あの手のことは、店主しか知らないみたいだった。普段は穴塞いでるから油断したんだな。
しかし段ボール箱一つで穴塞げばどうにかなるものかなあ、結構でかかったんだけどな。
でもあの手より、箱置いて済ませて客の俺に説明も弁解もしないあの店が一番怖かったな」
と叔父は笑って語っていました。
叔父は今でもその店があるのか気になるそうです。
拙い長文にお付き合い頂きありがとうございました。

壁の穴の情報や怖い話の怖い話のまとめや実話、ランキングや短編長編など「怖い話・心霊話・都市伝説投稿サイト

にほんブログ村 哲学・思想ブログ 心霊・怪談へ にほんブログ村 2ちゃんねるブログ 2ちゃんねる(オカルト・怖い話)へ

Message

メールアドレスが公開されることはありません。

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <s> <strike> <strong>

関連記事

猿夢

私は、夢をみていました。昔から私は夢をみている時に、たまに自分は今、夢を みているんだと自覚する

記事を読む

隣の住人

少し前まで、私は今付き合ってる彼と 田舎にあるとあるマンションで、同棲していました。 そこは

記事を読む

ヒサユキ誕生

こんな所でヒサユキの名前に会うとは、実際のところ驚いている。 彼女の事について真相を伝えるのは私

記事を読む

着物を着た女の子

自分の体験談。 だがまるっと覚えてなくて親から聞いた話。 五歳の時、姉の七五三の打ち

記事を読む

ソニー、4-6月期の最終赤字は246億円 2年連続

ソニーが2日発表した今4-6月期の連結決算は、最終損益が246億円の 赤字となった。4-6月期の

記事を読む

白いくねくね(くねくね)

どこに書いたらいいのか分かんないんだけど、ここに書かせてください。誰に言っても曖昧な答えしかしてくれ

記事を読む

変わった人。(青い風船様からの投稿作品)

私の友人が体験した話です。名前は仮にSさんとします。 Sさんは家族とファミリーレストランで食事

記事を読む

愛車のソーラ

友人(以下M)は車やバイクが大好き。類友と言うのか、周りもそういう人が多いみたいだった。 ある日

記事を読む

ひよこ

ある農家の話。 ある日、その家の幼い娘が楽しげな顔を浮かべて母親に言った。 「お母さん、

記事を読む

今でもまだ夢に見ます。

大阪の某社で勤めていたんですが、限界を超えた人が凄まじい行動をするのを 目撃したことがあります。私

記事を読む

ヤマチュー

ある男性の話。 Aさんは、友人のBさんとお酒を飲みながら世間話をして

牛の首

最近、アメリカの一青年が、奇怪なメールを受け取りました。 そのメール

牛の首と名乗る魔物

昔、寂れた山村に父娘が住んでいた。 父が再婚し、義母と義妹も一緒に暮

夜中に犬を散歩させていた

夜中に犬を散歩させていたら、 お婆さんが知り合いの家を探していたので

開けて開けて

これはオレが浪人してた年の夏 家族は二泊三日の旅行に行ってて、

→もっと見る

  • 皆様の怖い話の投稿お待ちしております。

  • 人気ブログランキングへ
  • 20代後半結婚適齢期の家事手伝い。最近の趣味は廃墟めぐり。
    皆様の怖い話の投稿お待ちしております。

    相互リンク・RSS大募集中です
    こちらのフォームまでお気軽にご連絡ください
    ご連絡いただかなくとも、こちらでアクセスランキングを見て定期的にアクセスがあることを確認しましたらリンク・RSS登録致します。

    当サイトのご利用は、自己責任でお願いします。当サイト及び外部リンク先のサイトを利用したことにより発生した、いかなる損失・損害についても当サイトは一切の責任と義務を負いません。

  • ブログパーツ

PAGE TOP ↑