【従姉妹シリーズ】廃墟のテレビなど怖い話 や都市伝説・意味がわかると怖い話のサイト

【従姉妹シリーズ】廃墟のテレビ

公開日: : 怖い話 , |54 view

電話やテレビ、ラジオなど所謂メディアにまつわる怪談は多い。その殆どが、どこかに繋がってしまうというパターンを踏襲している。便利さの反面、直接的ではない伝達に人間は恐怖心を抱くのだろうか。今から話すのもそれに類似したありふれた体験のひとつ。

中学二年の夏休み、心霊ツアーと称し五歳上の従姉妹と他県まで遠征した。目的地は某県にある公営団地の廃墟。これはかなり有名な場所で、仮に心霊スポットではなくとも廃墟好きの俺にはたまらないものがあった。

到着したのはまだ陽のあるうちだった。立ち並ぶ無人の団地とそこかしこに残る生活の痕跡は、確かに噂通りの偉容だった。

草が伸び放題の空き地にぽつんと置かれた三輪車、錆びた鉄製のドア、引き出しに衣類がしまわれたままのタンス。そして周囲は緑深い山々。団地全体が、本来あるべきではない違和感を放っていた。

何となく腰が引けてしまった俺とは対照的に、従姉妹は次から次へ無遠慮に見回っていた。オカルト好きで変わり者のこの従姉妹は、普段は何を考えているのか分からなかったがこういうときは頼もしかった。

ある棟の一部屋に入ったとき、俺はあまりの異様さに目を見張った。その玄関には靴が脱ぎ散らかされ、コンロにはフライパンが置いてあり、押し入れからは布団が崩れだしていた。確かに生活感の残る部屋は幾つかあったが、これはまるで住人が日常の中で忽然と消え去ったかのようだった。ついさっきまで、誰かがいたような。

有名な幽霊船の逸話が脳裏に蘇った。事実、四つの椅子が並ぶテーブルには箸や茶碗などが並んで埃を被っていた。今まで気にならなかった静寂がやけに耳をつく。緊張したまま奥の部屋を覗くと、雑誌やレコードが散乱する中に古ぼけた小振りのテレビが鎮座していた。

小さな四つ足の台に載ったテレビは、ダイヤルつきのその頃でもまず見かけなくなっていたタイプだった。全体を覆う赤いプラスチックが妙な懐かしさを感じさせる。高度経済成長センス、というか昭和テイスト。手を伸ばし、ダイヤルを回すとブン、と低い音がして画面がゆっくりと明るくなった。俺は驚いて見守ったがそこには砂嵐が映し出されるだけだった。

いつの間にか隣りにいた従姉妹が、日が暮れるしもう帰るよ、と言ってダイヤルを回しテレビを消した。窓の外を見ると確かに暗くなり始めていた。

車に戻り暫く道を走ると、従姉妹がため息をついて言った。

「凄いもん見つけたね、あのテレビ」

俺が何のことか分からずにいると、従姉妹は続けて言った。

「さっきまで視線を感じてた。団地からずっと追ってきてたよ、多分あんたがテレビつけたときから」

今更ながら徐々に焦り始める俺を尻目に、従姉妹は言い切った。

「あんな場所に電気が通ってるわけないじゃない。あのまま見てれば、何か面白いものが見れたかもね」

俺が、テレビの内部に蓄電してることもあると言うと、従姉妹は

「じゃあ戻って確かめる?」

と言った。俺は即座に拒否した。

後日、従姉妹から聞いた話ではやはりあの団地は通電していなかったらしい。あの後ひとりで行って確かめて来たと、小さな常夜灯を指差して言った。それをコンセントに差して確認したのだろう。これにはさすがに呆れた。しかしその後、従姉妹はもっと驚くことを口にした。

「テレビの電源入れようとしたんだけどね、入らなかった。あんたのときについて、私のときにつかないって、ムカついたから持って帰ってきて分解しちゃった」

そう言って笑う従姉妹の部屋には、確かに見覚えのある赤いプラスチックがあった。

【従姉妹シリーズ】廃墟のテレビの情報や怖い話の怖い話のまとめや実話、ランキングや短編長編など「怖い話・心霊話・都市伝説投稿サイト

にほんブログ村 哲学・思想ブログ 心霊・怪談へ にほんブログ村 2ちゃんねるブログ 2ちゃんねる(オカルト・怖い話)へ

Message

メールアドレスが公開されることはありません。

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <s> <strike> <strong>

関連記事

面を取ってくれ

俺の爺さんには従兄がいたらしいんだが、10代前半で亡くなっている。 それがどうも不自然な死に方だ

記事を読む

首絞めオジサン

俺がまだ小学生だった頃のリアル体験談。 小雪がぱらつく中、俺は二つ年下の弟と一緒に外へ遊びに

記事を読む

良栄丸事件

206 名前: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 04/02/02 23:28 ここって恐

記事を読む

人間の力 ※長文注意

長いんですけどすいません。 別スレに書こうと思ったんですが、そっち向きじゃなかったので。 書いて

記事を読む

あなたの娘さんは地獄に落ちました

る病院に残り三ヶ月の命と診断されている女の子がいました。 友達が二人お見舞いに来た時に、その子の

記事を読む

俺が関西の大学似通っていた時の話。

俺が関西の大学似通っていた時の話。当時つきあっていた彼女は歯科医の娘で、四国から出てきていた。

記事を読む

こっくりさん

中学校の先輩(男子)から聞いた話。 給食が終わって昼休みに入ってすぐに、数人の女子が「コックリさん

記事を読む

ジャングルジム

私が大学生の頃。帰りにタバコを買おうと思って足を止めたときのことでした。 6、7歳位の女の子がそば

記事を読む

「カン、カン」

幼い頃に体験した、とても恐ろしい出来事について話します。 その当時私は小学生で、妹、姉、母親

記事を読む

猿夢

私は、夢をみていました。昔から私は夢をみている時に、たまに自分は今、夢を みているんだと自覚する

記事を読む

牛の首

最近、アメリカの一青年が、奇怪なメールを受け取りました。 そのメール

牛の首と名乗る魔物

昔、寂れた山村に父娘が住んでいた。 父が再婚し、義母と義妹も一緒に暮

夜中に犬を散歩させていた

夜中に犬を散歩させていたら、 お婆さんが知り合いの家を探していたので

開けて開けて

これはオレが浪人してた年の夏 家族は二泊三日の旅行に行ってて、

知らない電話番号

知らない電話番号から着信があり、折り返し接続すると高額な課金回線に接続

→もっと見る

  • 皆様の怖い話の投稿お待ちしております。

  • 人気ブログランキングへ
  • 20代後半結婚適齢期の家事手伝い。最近の趣味は廃墟めぐり。
    皆様の怖い話の投稿お待ちしております。

    相互リンク・RSS大募集中です
    こちらのフォームまでお気軽にご連絡ください
    ご連絡いただかなくとも、こちらでアクセスランキングを見て定期的にアクセスがあることを確認しましたらリンク・RSS登録致します。

    当サイトのご利用は、自己責任でお願いします。当サイト及び外部リンク先のサイトを利用したことにより発生した、いかなる損失・損害についても当サイトは一切の責任と義務を負いません。

  • ブログパーツ

PAGE TOP ↑