30年間外に出なかった男など怖い話 や都市伝説・意味がわかると怖い話のサイト

30年間外に出なかった男

公開日: : 怖い話 |88 view

10年位前まで、富山県のある介護タクシー事務所へ所属しており、今は都内で別な仕事をしている知人Aの話です。

知人Aが当時勤めていた介護タクシーの事務所では、精神障害などで手に負えなくなった方を、家族からの依頼で自宅から数人掛かりで連れ出し、力ずくで病院へ運送する仕事をしていました。
メインとなる大部分の仕事は通常の介護患者の運送をしているし、普段はそんな仕事まではやらないのですが、
身内を世間におおっぴらにしたくない地域性のためか、そのような強制的な運送の依頼が来ていたそうです。

ある日、市内へ何店舗も手広く店を経営しているような有力者から「私の弟を連れ出して欲しい」と依頼があり、早速、指定された家に向かいました。
依頼者からの説明によれば、弟さんはいじめか何かで高校を中退して以降、30年近く仕事へ付いておらず、
40代後半の今に至るまで、ずっと家に閉じこもっているそうです。
父親はもう30年以上前に離婚しており、依頼者も奨学制度で大学に入って以降は独立、弟さんは70歳前後の母親と二人で暮らしており、
母親は年齢をごまかしながらパートなどをして生計を立てていたそうです。

依頼者は、独立して家を出て以降も、時々実家に出向いて、弟さんを働くよう諭すことに挑戦してきましたが、会うことすら難しく、
母親は母親で、逆に依頼者へ「本人が辛いと思っているなら無理をさせないほうがいい」と言う始末で、らちが明かないまま
今に至っておりました。
年老いた母親一人だけでは二人の生活を養っていくのは難しいのは目に見えているため、依頼者は数ヶ月に一回くらい仕送りをして生活の足しにして貰っていました。

しかし、半年位前から母親がパートを休みがちになっていると耳にし、心配になって実家に行くと家へ入れてすら貰えず、何度言っても門前払いばかり。
最終手段として、その介護タクシー事務所へ依頼してきたそうです。

連絡を受けた知人Aは、同僚二人と依頼者の合計4人で実家へ向かいました。
説明にあった通り、玄関で依頼者が「おーい!開けろよ!」「何かあったのか?心配してるんだぞ!」と声を張り上げてドアをバンバン叩いても、
殆ど聞き取れない位のか細い声で、玄関越しに「入って来ないで…うちらは心配しなくても大丈夫だから…」と、母親らしき年老いた女性が返答するばかり。

それが最後通告だったようで、依頼者は「こりゃもう駄目だ。裏から入って力ずくで連れ出して欲しい」と知人Aらへ決心を伝えてきました。
依頼者の案内により庭に周って、腐りかけて弱くなった雨戸を外して中に踏み込みました。

入ってみると、一階はしばらく掃除していなかったようで、あちこちにゴミが散乱し、異臭すら放っていました。
台所も、汚い食器がそのまま流しに放置されており、蠅が何匹も飛んでいました。
一階の各部屋を回りましたが、先刻まで、たまに呼びかけへ返答していた母親の姿も見えず、
どうやら二階へ行ったのだろうということで、四人は階段から二階へ上りました。

依頼者によれば「二階の手前は倉庫代わりに使っているから恐らくそこは居ない。弟が昔から弟が閉じこもっているのは奥の部屋」ということだったので、奥の部屋の襖に手を掛けました。
中から何か引っ掛けられているようで、なかなか開きませんでした。
やむを得ないので、依頼者の承諾の元、襖を持ち上げて外してみました。
その時、中からカビ臭いような生臭いような異臭が漂ってきて、知人Aは吐き気すらしたそうです。

部屋の中には布団がしかれており、母親と一緒に弟が、まるで子供のように添い寝をしていました。
無理矢理引き離した時、弟は子供のように泣きじゃくって抵抗してきて、取り押さえるのに難儀したそうです。
母親は「やめて!乱暴はやめて!」と泣きながら必死で止めようとしてきましたが、それを依頼者が制止しました。
弟を介護タクシーへ乗せるのを同僚達に任せ、知人Aは、取り乱す母親と依頼者のやり取りを見つつ、部屋の中を見回しました。
まるで昭和50年代あたりから時が止まっているような部屋で、子供の読むような漫画や、プラモデルなどが置かれ、
TVもなく、ましてゲーム機や電話もなく、現代を象徴するようなものや外界との接点を持つものが、何一つないような異質な部屋でした。

それより異様だったのは、シミだらけで黄色を通り越して黒ずみ、ペラペラになった布団と、半裸の母親の姿。
依頼者には黙っていましたが、複数の状況を見るに、長年、母親と弟は近親相姦をしていたのでは・・・と感じたそうです。
30年近くも部屋に閉じこもっていた弟と、無責任に溺愛していた母親。

地方の片隅には、まだこのような異空間がひっそりとあったのです。

30年間外に出なかった男の情報や怖い話の怖い話のまとめや実話、ランキングや短編長編など「怖い話・心霊話・都市伝説投稿サイト

にほんブログ村 哲学・思想ブログ 心霊・怪談へ にほんブログ村 2ちゃんねるブログ 2ちゃんねる(オカルト・怖い話)へ

Comment

  1. 横道坊主 より:

    これは想像を超えるキモさと
    体液臭との、コラボレーションだな。

  2. 奈那 より:

    うわぁ…

    こんな母親にはなりたくないな

Message

メールアドレスが公開されることはありません。

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <s> <strike> <strong>

関連記事

今でもまだ夢に見ます。

大阪の某社で勤めていたんですが、限界を超えた人が凄まじい行動をするのを 目撃したことがあります。私

記事を読む

コタツの中

もう4カ月も経ったし、体験した時の私的には怖かった話なので 書き込んでみようと思います。 も

記事を読む

【3人組シリーズ】幽霊に一喝

今から5年程前の大学時代、俺は友人二人を連れて心霊スポット荒らしをしていた。いわゆる肝試しのようなも

記事を読む

私が大学生だった頃の話。

その日は友人と待ち合わせをしていた。ところが、 約束の時間を過ぎても友人は来ない。 30分待っ

記事を読む

【3人組シリーズ】T祭り

O県N市・・・まぁ俺の地元なのだが、ここにはいわくつきの祭りというものがある。 Y川下流域の河

記事を読む

キャッシャ

俺の実家の小さな村では、女が死んだとき、お葬式の晩は村の男を10人集め、 酒盛りをしながらろ

記事を読む

じいさんの話

これは俺が10年以上前に体験した話。 当時俺は、田舎にある実家に住んでいた。

記事を読む

借家の一戸建て

親が家の一階で夜遅くまで仕事をしてたんで、俺はいつも2階にある寝室で生まれたばかりの弟と一緒に寝てい

記事を読む

テレビモニター

聞き書きなんだけど… 後輩Kは某コンビニで深夜バイトをしてたらしい。 そのコンビニの立地

記事を読む

返却BOX

しまった!今日がDVD返す日だった!! 夜中布団の中で、はっと気付いた。時計を見ると1時ちょ

記事を読む

知らない電話番号

知らない電話番号から着信があり、折り返し接続すると高額な課金回線に接続

お面の神様

俺が小学生の頃の話。 昔っから絵を描くのが好きだったんだ。コンクール

配達の仕事をしていたら

前の話(詳細は電車のつり革)からだいぶ時間がたち、私も仕事が変わりまし

狙われる路上の宗教勧誘

路上の宗教勧誘ってどう思いますか? ウザいですよね。メンドイですよね

呪われたわたし

私が小3の夏休みの時に、学校で流行っていたこっくりさんを友達と夜の時に

→もっと見る

  • 皆様の怖い話の投稿お待ちしております。

  • 人気ブログランキングへ
  • 20代後半結婚適齢期の家事手伝い。最近の趣味は廃墟めぐり。
    皆様の怖い話の投稿お待ちしております。

    相互リンク・RSS大募集中です
    こちらのフォームまでお気軽にご連絡ください
    ご連絡いただかなくとも、こちらでアクセスランキングを見て定期的にアクセスがあることを確認しましたらリンク・RSS登録致します。

    当サイトのご利用は、自己責任でお願いします。当サイト及び外部リンク先のサイトを利用したことにより発生した、いかなる損失・損害についても当サイトは一切の責任と義務を負いません。

  • ブログパーツ

PAGE TOP ↑