牛の墓など怖い話 や都市伝説・意味がわかると怖い話のサイト

牛の墓

公開日: : 怖い話 , |41 view

518 本当にあった怖い名無し sage 2006/05/24(水) 18:50:02 ID:SPWcp6noO

私が通っていた高校は、数年前に改築され今では近代的な姿に変貌を遂げているが、私たちが在学中はどこもかしこも古めかしい学校だった。
歴史だけは県下有数というこの学校に、昔からひっそりと語り継がれているという、ある怪談話の伝説があった。

それは通称「牛の墓の話」という名前なのだが、タイトルだけ聞くとオカ板でおなじみの「牛の首」を思い浮かべる人もあるかと思う。
私もオカ板を覗くようになったのはごく最近なのだが、私の学校に伝わっていた「牛の墓」話というのは一般的にはいわゆる「牛の首」系の怪談話でメジャーな展開である
「あまりに恐ろしすぎて誰も話すことができない」系統の語られ方をされていたのも不思議と共通していた。

しかしある先輩は「安保闘争が盛んな時代の、学生運動に絡んだ話らしい」と語り、同じ高校のOBである親戚の兄(10歳ほど離れている)は「大正後期から昭和初期の話らしい」と聞かされた。

話のタイトルも「牛の墓」という説と「牛のバカ」という説もあり、まさに正体不明の怪談話といえた。

519 本当にあった怖い名無し sage 2006/05/24(水) 18:51:28 ID:SPWcp6noO

「牛の墓伝説を詳しく調べよう」
私にそういったのは中学時代からの友人Aだった。
季節は衣替えの直後だったと思う。
Aは私と違い優等生で成績は常に学年上位。
だが中学の頃からオカルトやらファンタジーにかなり傾倒しており、この話ももともとはAが定年間際の老教師から聞いてきたのがそもそもの始まりなのだ。

しかし「牛の墓(バカ?)」伝説の調査ははかばかしくなかった。Aは図書館で地方版の新聞を読み漁り、かつての卒業生を訪ねたり大学の図書館にまで入りびたってさまざまな資料を飽きることなく調べていた。
私も何度かAの「調査」に付き合ったが、彼の熱の入れようはどこか異常ともいえた。
いや、おそらくAはそのとき既に何かに取り憑かれていたのかもしれなかった。
そして夏休みがやってきた。
Aは予備校の夏期講習の傍ら、まだいろいろと郷土史を調べたりと相変わらず「牛の墓」について飽きずに調査していた。
私はAとは違う塾に通っていたのだが、夏休みの少し前から塾で同じ教科を取っていた同じ学校の女の子と仲良くなったりしていたため(笑)不純な目的ながら塾通いに熱心になり、「調査」へのモチベーションが落ちかけていた頃だ。

520 本当にあった怖い名無し sage 2006/05/24(水) 18:52:50 ID:SPWcp6noO

8月の上旬頃、私やAが所属していた部活の夏期合宿があった。夏期合宿といっても要は部活動のあとで部員が学校内の宿泊室に泊まりこむだけなのだが。

その夜、しばらくぶりにAと会ってその後の調査具合を聞くと
「60年代から70年代あたりにかけて生徒が死んだ事件があったのは事実らしい」
「だけど、その事件とは別に、もうひとつ公表されなかった事件が過去に存在するという話を、ある古い卒業生に聞いてきた」
「どうもこっちの話こそ、牛の墓事件(このとき確かにAは「事件」と言った)の隠された真実があるように思う」
「そのことを知ってる人を今探している」

…そういった話をAはしていた。

その後、お定まりではあるが深夜にかけて部員たち数人で怪談話をいろいろしていたのだが、ある女子部員が「こっくりさんやろう」と言い出した。
Aが名乗りを上げ、言い出した女子部員と10円玉に指を載せる。
私はオカルト好きだがチキンハートなので他の数人の部員たちとそれを眺めていた。

521 本当にあった怖い名無し sage 2006/05/24(水) 18:53:48 ID:SPWcp6noO

しばらくすると、室内の空気が妙にじめっ、というかじとっとした粘り気のある重苦しい雰囲気になりつつあるのを感じだした。
霊感の無い私ですら「あ、こりゃマズいかも」と思ったとき、こっくりさんをしていた女子部員とAの指先にある10円玉が不規則に、そしてめったやたらに動き始める。
「やだ…なにこれ…」
取り巻いていた私や、他の部員の顔色は悪いが、ランダムに動いて止められない10円玉に指を乗せた女子部員とAの顔色は青いのを通りこして白かった。
部屋の隅っこに誰か知らない人が立っている、ような気がするが身体が震えてそちらを見る度胸も無かった。別の女子部員が泣きだした。

「お前ら何やってるんだ!!」
突然大声がしたかと思うと、前部長であり昨年卒業したOBのB先輩が部屋に飛び込んできた。
B先輩は女子部員とAの頬に平手打ちを見舞うと、10円玉を鷲掴みにして網戸をあけて外に全力で投げ捨てた。
そしてこっくりさんに使った紙を持って合宿場の外へ出ていった。あとで聞くと紙は丸めてトイレの水に流してきたそうだ。

522 本当にあった怖い名無し sage 2006/05/24(水) 18:55:21 ID:SPWcp6noO

「冗談半分でもあーゆーのはやるんじゃねーぞ。おまえら」
B先輩はわりと霊感が強いらしく、寝ていたところ気分がざわついて吐き気がして目が覚めたらしい。
それにしても豪傑だ。
「もうおまえらおとなしく寝ろ」
Aはまだ放心したような表情だったが、のろのろと立ち上がって男子用の宿泊部屋に向かいかけた。
「あ、それとな」
その背中にB先輩が声をかける。
「悪いことはいわんから、ほどほどにしろよ」
Aは返事をせずに出ていった。
結局ろくに眠れないまま、次の日の朝になり私たちは解散して帰宅する。

それからさらに2週間ほど経過して、夏休みも残り半分ほどになったある夜、Aから電話がかかってきた。

「牛の墓だけど」
「まだ調べてたのか、B先輩も言ってたけどほどほどにしろな」
「だいぶ分かってきた。もうひとつの話の真相を知った女にだけ呪いがかかる…っていう話があるらしくてね」
「女だけ?」
「だから、俺らは大丈夫だよ。それで学生運動の頃の話も詳しく知ってる人に明日会う。明後日の登校日に全部聞かせるから、待っててくれよ」
そういって電話は切れた。

524 本当にあった怖い名無し sage 2006/05/24(水) 18:57:37 ID:SPWcp6noO

だが、その日Aはとうとう学校に現れなかった。
気になったので夜自宅に電話をしたのだが、何度かけても誰も出ない。
Aと連絡が取れないまま夏休みも終わる間際となり、私はAの自宅に向かった。
しかしAの自宅は雨戸がすべて閉ざされ、玄関の新聞受けには新聞がみっしりと詰まっている。勿論呼び鈴を鳴らしてもなんの反応もない。
高まる得体のしれない不安だけを抱えて、その夏休みが終わる。
2学期になってもAの姿は学校には無いままだった。
Aには年子で妹が1年にいたので、1年生の知り合いに尋ねても、妹も学校には来ていないとのことだった。

それからかなり経過してから私はある後輩女子部員の1人から噂を耳にした。
Aの妹が、夏休み中に突然自殺を図ろうとしたらしい。
彼女はとても明るく活発で友人の誰もそんな兆候は見られなかったのだが、自分の部屋でナイフで首を切ったらしいという。
学校にはAもAの妹も家の事情により転校、という連絡があり処理されていたことは後に明らかになった。だが教師は転校理由については何も明らかにはしなかった。
それから15年、未だにAのその後の行方は分かっていない。

526 本当にあった怖い名無し sage 2006/05/24(水) 18:58:52 ID:SPWcp6noO
結局、私はAから「牛の墓事件」の真相を聞くことはできなかった。

誰も中身を知らない最強の怪談話、という点でも「牛の首」とのかすかな共通項が見られるのだが…。

ただ、私が気になっているのはAは「牛の墓事件」についての調査をノート2冊くらいに分けて持っていた。
その調査記録をAの妹が目にした、もしくは読んだ、という可能性は考えられないだろうか。
そうしないと、突発的な彼女の自殺未遂の説明がつかないのだが…。

後日、B先輩とこのことを話したときにB先輩は私にこう言った。

「あいつ、あの夜こっくりさんする前から何かすごくいやな空気が身体を取り巻いていたんだよ。影が薄いっていうか、得体のしれない何かに魅入られてるような予感がしてな。俺気になってたんだ。多分それが怨念てやつじゃないかな」

Aくん、かつてオカルトがとても好きだった君が、もしこれを目にすることがあれば、一度連絡ください

529 本当にあった怖い名無し sage 2006/05/24(水) 19:13:15 ID:SPWcp6noO
長文すいませんでした

ちなみにその学校に「牛の墓」という話が伝わってる、というのはわりと知られている話らしく、
先日取り引き先との飲み会でお得意様のC氏(50代前半)という方と酒の席で歓談中
「○○くんは××高校の出身なのか。昔あの学校には牛の墓って話が伝わってたらしいけど、きみくらいの年齢だと知らないだろうねえ」
と懐かしそうに語られたりしたので、妙なシンクロニシティを感じて投下しました。

Aくん、もし君がまだあの調査記録ノートを持っていたなら、一刻もはやく焼き捨ててくれることを願います

牛の墓の情報や怖い話の怖い話のまとめや実話、ランキングや短編長編など「怖い話・心霊話・都市伝説投稿サイト

にほんブログ村 哲学・思想ブログ 心霊・怪談へ にほんブログ村 2ちゃんねるブログ 2ちゃんねる(オカルト・怖い話)へ

Comment

  1. KOT より:

    家の新聞受けにみっしり新聞が詰まっているのにAの親や妹は何をしていたのでしょうか?

Message

メールアドレスが公開されることはありません。

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <s> <strike> <strong>

関連記事

寝室

僕の友人に、古美術商をしている坂さんという人がいる。店が坂の途中にあるから「坂さん」。 30過ぎ

記事を読む

そういうやりかたは

「・・・そういうやり方は卑怯だと思う」 薄暗い自分の部屋の中で、自分の部屋の外に向かってそう言っ

記事を読む

【3人組シリーズ】幽霊に一喝

今から5年程前の大学時代、俺は友人二人を連れて心霊スポット荒らしをしていた。いわゆる肝試しのようなも

記事を読む

90度

俺が怖い話とか不思議な話に興味をもつきっかけになった話。 半年くらいまえに沖縄の北部で体験したこと

記事を読む

【住職シリーズ】交通整備員

信じるか信じないかは別として知り合いに変わったやつがいる。小学校時代からの友人で、現役の住職をやって

記事を読む

天井裏の子供

昔5階建てのカラオケでバイトしてた時のお話 3階の部屋が客で埋まったら4階に、4階が埋まった

記事を読む

友人にちょっとアレな奴がいた。

俺自身に霊感はまったく無いんだが、友人にちょっとアレな奴がいた。 オカルトとかそういうのに首突っ

記事を読む

障子の穴

子供(小学校高学年)の頃の話。 当時、自分の部屋は、畳と障子のバリバリの和室で、布団を敷いて

記事を読む

隣の住人

少し前まで、私は今付き合ってる彼と 田舎にあるとあるマンションで、同棲していました。 そこは

記事を読む

慰霊の森

俺の地元は岩手なんだがまだ地元で働いていた頃に職場の先輩から聞いた話。 詳しい時間はわからない

記事を読む

監視カメラ 障害報告

1.タイトル  ○○様 倉庫内 監視カメラ正副故障 2.障害発

電車のつり革

仕事帰りのある日、いつものように終電に乗って家に帰ることにしました。

濡れたチケット

以前、某コンサートホールでバイトをしていました。 そのときの経験

お姉さん

オレの叔母さんから聞いた話。 叔母さんが一人暮らしをしている息子

家電量販店B

 家電量販店Bはお客さんとしてお店に行くには問題ありません。  しか

→もっと見る

  • 皆様の怖い話の投稿お待ちしております。

  • 人気ブログランキングへ
  • 20代後半結婚適齢期の家事手伝い。最近の趣味は廃墟めぐり。
    皆様の怖い話の投稿お待ちしております。

    相互リンク・RSS大募集中です
    こちらのフォームまでお気軽にご連絡ください
    ご連絡いただかなくとも、こちらでアクセスランキングを見て定期的にアクセスがあることを確認しましたらリンク・RSS登録致します。

    当サイトのご利用は、自己責任でお願いします。当サイト及び外部リンク先のサイトを利用したことにより発生した、いかなる損失・損害についても当サイトは一切の責任と義務を負いません。

  • ブログパーツ

PAGE TOP ↑