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幻の集落

公開日: : 怖い話 |4,541 view

私は子供の頃、山深い小さな集落に住んでいました。
小学生になったばかりの頃の話です。
私の家は学校から一番遠くにあり今まで友達と遊んだ事がなかった私にも友達が出来き、毎日友達と遊びながら帰っていました。
隣町の学校までの道のりは遠く、子供の足ではかなりの時間がかかりましたが、遊んでいるうちに、この森を抜けると早いとか川を渡ると早いとか近道を見つけては探検気分で帰っていました。

もう秋も近い頃だったでしょうか…。
台風が接近していた為、学校が休校になりますという連絡網が回ってきました。
私は学校を楽しみにしていたのでガッカリしましたが明日の天気次第で休校しなくなる場合もあると言われたのでその日はてるてる坊主を沢山作って寝ました。
翌朝、台風など全く来ていない様子だったので私は学校に向かいました。

学校に到着すると校門が閉まっていました。
生徒も誰もいません。校庭を見ると用務員のおじさんが掃除をしていました。
学校の金網を乗り越えおじさんの所へ行くと
『今日は学校お休みだよ。昨日の強風で何箇所か硝子も割れてしまっているし。昨日連絡網回ったでしょ?今朝も休みですって連絡網回ってるはずだよ。』
と言われてしまいました。
私の家は学校から離れている為、出発もかなり早かったので連絡網が来る前に家を出てしまったようでした。
こんなに天気が良いのに…長い距離を一生懸命歩いて来たのに。と損した気分でしたが仕方なく家に帰る事にしました。

いつも友達と遊びながら帰る道も一人だとなんだか寂しく感じました。
川を渡り、森を抜けてといつものよう様に近道をしていた時です。

森の奥に建物が見えました。いつも通っていたけれど気がつかなかったなぁと思い近づいてみると、そこは高台になっていて、眼下には小さな集落が見えました。
人の姿もあり民家や馬小屋やお店も何件かあったので坂を下り村を散策してみる事にしました。
年寄りが多くみんな私を見てはニコニコしながら
『こんにちは。何処から来たんだい?』
と聞いてきました。
『○○です。』
と村の名前を言うとみんな知らないようでした。
割と私の家から近い場所でしたので知らない事が不思議でした。

ボロボロの長屋があり近づいてみると私と同じ年齢位の子供が沢山いました。
『一緒に遊ぶ?』
と声をかけられて、私は嬉しくてみんなと一緒に遊びました。
あやとり、縄跳び、かくれんぼと普段やっている遊びでしたが、新しい友達が出来たと思いとても楽しんでいました。

かくれんぼの時に一緒に隠れていた女の子に
私『どこのクラス?』
と聞くと
『クラス?って何?』
私『えっ?何組なの?何年生?』
すると女の子は
『わからない。そうゆうのないから。』
と不思議そうに言われました。
私『私は○○小学校だけどそこじゃないの?』
女の子はボロボロの長屋を指さして
『ここが学校。◎◎学校。』
と言われて驚きました。
私の通う隣町の小学校とは随分と見た目が違いますし、何よりもこんな近くに学校があった事に驚きました。
私『昨日の台風で私の通ってる学校が休みになってたんだけど、やっぱりここの学校も休みなんだね。』
女の子は私の言っている意味が解らないのか苦笑いしながら曖昧に『うーん』と返事をしました。

かくれんぼが終わり次は達磨さんが転んだをやりました。
私が最初に鬼になりました。
『だーるーまーさーんーがー転んだっ』

勢い良く振り向くもそこには誰もいませんでした。
もしかして、ルールが違うのかな?と思いもう一度、『だるまさんが転んだ』
と言ってみましたがやはり誰もいませんでした。

私は『おーい皆何処にいるの?』
と辺りを探しましたが誰もいません。
先程、年寄りがいた場所にも誰もいません。お店も何件かまわりましたがそこにも誰もいません。
しばらく探しましたが誰にも会う事はありませんでした。

もっと遊びたい気持ちもありましたがまた明日立ち寄れば良いと思い、その日は家に帰りました。

帰ると母親がビックリした顔をして
『どーしたの?なんでそんなに泥んこになってるの?何処で遊んで来たの?今日やっぱり学校休みって連絡来たからすぐ車で迎えに行ったのに何処にもいないから心配したんだからね。』
私の服は湿っぽい泥がたくさん付いて汚れていました。母親は
『あんた何処通って来た?』と怪訝な顔をしました。
近道の事は親に秘密にしていたのですが(森はよその家の人の土地だから入ってはいけないと言われていましたので。)私は山の奥の村で子供達と遊んで来た事を話しました。
あんなに近くに学校があるのにどうして隣町の学校まで通わなきゃいけないのかを教えて欲しかったからです。母はそんな場所は知らない…とにかくお風呂に入って来なさい。と言って外へ出て行きました。しばらくすると、父と母が一緒に帰ってきました。夕食を済ませると、私は寝巻きのまま車に乗せられ村の神社に連れていかれました。

今までこんな突然、神社に連れていかれた事はなかったので何があったのか聞きましたが父も母も何も答えてくれませんでした。
ただ必死に拝んでいたのを覚えています。

そして次の日から母が学校へ迎えに来るようになりました。
理由を聞いても『近くまで来たから』などと言ってはぐらかされてしまいます。森の奥の村の話しをしましたがそんな場所はないし、もう森へは入らないでと、とても嫌そうに言われました。
それから毎日母が迎えに来るので、私は友達と帰宅出来ない事はもちろんあの村へ寄り道する事が出来なくなりました。
学校の友達に森の奥の村の話をしましたが知っている人は誰もいませんでした。今度一緒に行こうと誘ってみても遠い事もあり断られてしまいました。

私は、あの村へ行きたいという気持ちが日増しに大きくなっていました。

ある日、母が迎えに来ない日がありました。
母が体調を崩して寝込んでいたのです。
私はあの村にあったお店で団子を買って母にあげようと思い久しぶりに森に入りました。
正直、団子を買う事よりも村の友達に会いたいという気持ちの方が大きかったです。
村の近くに行くと以前見えた建物はなく代わりに、工事現場作業員のような大人数人と神主さんのような人がいてなにやら儀式のような事をしていました。
村に行きたいのでその人達を無視して先へ進むと、そこには崖があるだけで何もありませんでした。

私は目を疑いました。

数日前に遊んだはずの村が跡形もなく消えていました。
正に狐につままれた気分でした。
工事現場の作業員風の人に『危ないから入ってきちゃだめだよ』
と追い返されてしまいました。
村の事を聞きたかったのですが聞き慣れない気持ちの悪い呪文のような歌を歌う神主を見て、何も聞かず家に帰りました。

皆と遊んだのは夢じゃない。私は確信していました。泥んこになって帰った時の事を思い出しながら森を出て行きました。

私は帰ってから寝込んでいる母に正直に話をする事にしました。
『ごめんね。行ってはいけないと思ったんだけど…お母さんに早く元気になってもらいたくて…帰り道に森の中にある村のお店でお土産に団子を買おうとしたんだけど…村が無くなってたの。いつ無くなったの?皆何処に引越したの?』

すると母は優しく
『分からない。そんな場所は最初からないはずよ。それは夢でも見たのよ。それか、幻でも見たんじゃないの?…もう危ないから森へ行ってはいけません。お願いだから絶対に森へはいらないでね。元気になったらまた帰り迎えに行くから。』
と言いました。

私は母にあの日の夜、何故突然神社へお参りに行ったのか、あの村の事と何か関係があるのか、聞きたかったのですが具合も悪そうだったので元気になってから改めて聞こうと思っていました。

しかし、それを聞く事は出来ませんでした。
母の容態は悪化して、そのまま亡くなりました。

母が亡くなったショックで私は村の事など考える余裕はありませんでした。
母のいない生活はまだ幼い私には大変なものでした。父も仕事の為、家を空けているので私は隣町にある親戚の家に高校卒業まで預けられていました。

その後、私は村を出て地方都市に就職をして寮生活を送っていました。

田舎育ちの私には何もかもが新鮮で刺激的であの村の事は完全に記憶から消えかかっていました。

しかし、あの村の真実を知る時はふいに訪れたのでした。

親戚から父が倒れたという知らせがきたのです。
母を無くして以来、程なくして親戚に預けられた私は父と会うのは週末くらいしかなかったのです。
兄弟のいない私にとっては大切なたった一人の家族です。

私は仕事を休み田舎へ帰りました。
父は既に入院していました。
駆け付けた私の顔を見て微笑んでいました。

私は今までの出来事や近況を父に報告しました。
お母さんが死んで辛かった事、本当は親戚の家じゃなくてお父さんと二人で暮らしたかった事も話しました。
親子水入らずの時間を久しぶりに味わい心なしか父の顔色も良くなり元気になっていたようでした。
父の所に泊まりたかったのですが病院のシステム上出来ないという事もあり、その日は親戚の家に泊めてもらいました。

次の日、父の所へ行き私はまた昔の話をしました。
その時、忘れていたあの村の記憶が甦り、私は父にあの村であった出来事を話しました。

父はその出来事を母から聞いて知っていました。
そして父から幻の村の真相を教えてもらいました。

父がまだ子供の頃、その村は実際に存在していたそうです。
父もその村に遊びに行った事もあり、友達も住んでいたそうです。
話を聞くとお店や学校も私が見た物と同じのようでした。

父の家は貧しく学校に通う事は出来なかったのでその村の学校に通う友達から勉強や遊びを教わっていたので頻繁に村へ遊びに行っていたそうです。

ある日、激しい風と雨が降った時に突然、大規模な山崩れがおきたそうです。

小さなその集落は両側の山からの土砂に埋まり生存者は殆どいなかったそうです。
父は土砂で泥まみれになった集落を森の上から見たけどのどかな村は跡形もなく消えていて湿った土の臭いだけが漂っていたそうです。
それから村の跡地に慰霊碑が立てられたそうですが台風が来る度に壊れてしまい今では慰霊碑を立てる事もなくなっていました。

そして、その村はいつしか忘れ去られて行ったのですが、その当日近所に住んでいた子供の何人かが私と同じ体験をしていたそうです。
しかし、その子供達は幻の集落を見つけた後に不治の病にかかり亡くなったそうです。
それは、決まって台風の過ぎた後に村を見るそうです。
いつしか、父の住む村では台風の後には森へ入ってはいけないと語り継がれるようになったそうです。

私が集落を見つけたのに病気にもかからず今元気に生きているのは母が身代わりになったからと聞かされました。

突然、神社に連れて行かれた時、必死に拝んでいた姿が思い出されました。
母は次の日から昼間に集落の跡地へ行ってはお供えをしたり子供を連れていくなら変わりに自分の命を差し上げますと拝んでいたそうです。
父は神社へ行き毎日私と母の無事を祈ったそうですが母が亡くなる前に、
『私もあの村見たの。だから私が死んだらもう平気だよね?』
と父に話したそうです。

私は何も言えなくなってしまいました。
ただ涙が流れるだけでした。

父の容態も回復したようなので私は会社の寮に戻り、仕事を再会しました。

あの集落の事も父から聞いた話しも忘れようと必死でした。

そして、父は退院する事はなく息を引取りました。
葬儀の後に遺品の整理があったので親戚達と一緒に久しぶりに実家に向かいました。

玄関には泥団子が置いてありました。そう言えば母の亡くなった時も玄関に泥団子が置かれていた事を思い出しました。
泥の状態からして作ったばかりの物だと思いました。
叔母に泥団子の事を聞くがその様な風習もないし、誰が作ったかも解らないと言われました。

気持ちが悪いから処分しようと玄関にでると先程の泥団子はカラカラに干からびて崩れていました。

さっきまでドロドロだった団子がものの数分でこんな状態になるはずがありませんでした。

叔母に幻の集落の話をすると父も亡くなってしまったし、これ以上おかしな事が起こると大変だから片付けが終わったらすぐに寮に帰るように。
そして、二度とこの村にも帰って来ない方が良いと言われました。

私は片付けもろくに出来ず荷物をまとめて村を出て行く事にしました。

その後、私の身には何も起こる事はありませんでした。
しかし、それ以降は仕事に打ち込んでいても何をしてもあの幻の集落が頭からはなれなくなってしまいました。
忘れたはずの子供達の顔まで鮮明に思い出され夢にまで見るようになりました。
ぬかるんだ村で子供達と一緒に泥団子を作り私の家の玄関先に置きに行くと、親戚達ともう一人の私がやって来て家の中を片付けている。その様子を子供達と窓から覗いているという夢を何度も見ました。

私は疲れているのだと思い病院に相談をし安定剤を飲むも効果はありませんでした。
それから寮の近くにあるお寺に行き相談をしに行きました。
住職の話だと、その夢は亡くなった父が家に呼び寄せているとの事でした。
親戚の方と一緒に一度、元住んでいた家に行って家を見てきなさいと言われました。

親戚に連絡をしましたが私が村に帰る事を頑なに拒みました。

私は一人で実家に向かう事にしました。
久しぶりに見る村は以前と何も変わっていませんでした。
私の実家も健在でしたが雑草が生え、老朽化が進み、見るからに人が住んでいない事がわかる程荒れていました。

裏手にある勝手口の扉は壊れていて中に入る事が出来ました。
家の中には家具も一切なく広々としていました。
天井にネズミがいたのかバタバタと音がして砂の様な物が降ってきました。
湿った空気と埃っぽさに耐えられず窓をあけるとそこにはあの時と同じ泥団子が置いてありました。
まだ新しい湿った泥団子でした。

私はとてつもない恐怖感に襲われ情けない事にその場を立ち去り、親戚の家に逃げ込みました。

叔父と叔母は勝手な事をするなと怒っていました。
そしてあの家を解体して更地にすると言いました。

私はどちらが正しいのかわかりませんが私の手に追える問題ではないと思い、全て叔父に任せる事にしました。

夢は相変わらず続いていましたが…慣れというのは怖いものでして。
いつしか、またあの夢か…位にしか思わなくなっていました。

月日は経ち、私は叔父が亡くなった為、実家の隣町まで行きました。
叔母に挨拶に行くと
『お前のせいだ…全部お前のせいだー。お父さんを返えしてよー。』
と鬼の様な形相で私に迫ってきました。
私は訳も分からず立ち尽くしてしまいましたがお線香だけあげてその場を立ち去りました。

どうして私のせい?と理由を聞けば良かったのですが叔母の変わり果てた姿に言葉を失ってしまったのです。
心残りでした。最後に振り返り深々と頭を下げた私の足元には泥団子が転がっていました。

私は再度、寺に行き住職に相談をしました。
墓参りに行くと良いとか、実家の跡地に線香をあげると良いとか…言われた事は全てやっていますが子供達の夢は今も続いています。真相は謎のままです。
お話は以上で終了となります。
皆様のご期待に応えられるお話ではなかったとは思いますが長い話を読んで下さってありがとうございました。

また、おかしな事が起こりましたら投稿します。

私と同じような経験者の方がいましたらご意見お待ちしております。

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