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二人の女性

公開日: : 怖い話 |60 view

私のバイト先での出来事です。発端は1年ちょっと前でした。衝撃的な出来事でした。
当時のことは、今も鮮明に覚えています。バイト先に、A君という社員がいました。

年は私より一つ下。高卒で入社したそうです。彼は、職場で皆から嫌悪されていました。
外見も余り良くないのですが、それ以上に、性格に問題がありました。
私はバイトに入って日が浅く、彼とは1週間しか一緒に働かなかったのですが、
それでも、何度か酷い厭味を言われ、気が滅入りました。

そのA君は、私が入った一週間後に救急車で運ばれました。
男子トイレには、三つ洋式トイレがあるそうで、その真ん中で失神していたといいます。
私も、救急車に乗せられる彼の顔を見ましたが、人間とは思えない様な凄い形相でした。
私は、彼を心配した風に装いながら、内心は嫌な社員が消えて、ほっとしていました。
しかし、その後の周囲の反応には驚きました。皆が、A君の悪口を言ったのです。

「あのバカ、使えないから仕事が回ってかないだろ? で、残業もないから上司の誰かが
飲みに行く時、いつも付いて行くじゃん? で、上司に気に入られていると勘違いして、
同僚や後輩を見下して、偉そうに厭味言うんだよな。むかつく」と、同僚の男性。
「重体らしいね。もう退職して欲しい。あの顔で、私に色目使ってたんだから。
気持ち悪くてしょうがないっつーの」と派遣社員のHさん(女性)が言いました。

さらに、A君とは比較的仲が良さそうだったS君が続きました。普段は穏やかな人です。
「あいつ拷問道具とか集めていたよ。俺、あいつの家に一回遊びに行ったけど、
気持ち悪くなった。変態だよ。マジでひく」
皆は、気の弱いS君が我慢して、A君に合わせていた事を知っていて、同情していました。
「別に死んでくれても良いよね」誰かが言うと、皆、爆笑しました。

脱線しますが、この頃、男子トイレを利用する女性がいるという苦情が頻繁に出され、
会社から女性従業員に、トイレに入る前に確認するよう指導がありました。
A君が、トイレで無残な姿で発見される少し前にも、見慣れない女性が二人、
男子トイレから出て来たのが目撃されていました。

それから一ヶ月程経った頃のことです。T先輩が従業員に言いました。
「A君に面会が可能になったそうだ。一安心だね。そこで、皆でA君のお見舞いに行って
あげたいと思うんだけど、どうだろう」
T先輩は熱血漢で人望も厚く、本気でA君の容態を気にかけている様子なので、
皆、渋々ながらも先輩の提案に従いました。

病院へ行く途中、T先輩が皆に言いました。「A君は、頚部の椎間板ヘルニアだ。
神経が強く圧迫されて、余りカラダを動かせない。症状が重く、下手に手術をすると
神経が麻痺してしまう虞があるから、時間をかけて薬で治す方法を選んだそうだ」

A君は、思った以上に大変な状態でした。首を固定され、カラダを動かせません。
なぜか声を出すのが苦しい様子で、かすれた声で、皆にお見舞のお礼を言いました。
眼だけを動かして私達を見たA君は、腕は動くようで、手を差し出して握手を求めました。
しかし、T先輩以外は、誰も応じようとしません。私は、同情から彼の手を握りました。
油っぽいその手は驚くほど冷たく、小刻みに震えていた気がします。

私達がA君に別れを告げ病室を出ようとすると、彼は、もの凄い声で喚き出しました。
それを見たT先輩が、ナースコールのボタンを押しました。
程なく看護婦と医師がやってきて、何かを注射してA君を眠らせました。
その後、看護婦が病室の外で言いました。
「彼は、人がいなくなるのを怖がるんです。だから、夜中も良く呼ばれるんですよ」

病院を出た私達は、お茶を飲みに行きました。T先輩は用事があるので先に帰りました。
少し落ち着いた頃、S君が「あいつ、少し頭もおかしくなっているのかな」と言うと、
他の男性社員が「もともと頭悪いけどねぇ。ゴマすりしか能のないビビリ馬鹿だし」
と言いました。「入院してる割には、少しも痩せてなかったよね」
派遣社員のHさんに至っては、そんな不謹慎なことを言う始末。
一同、爆笑していましたが、私は、A君の悲惨な姿を思うと、とても笑えませんでした。

さらに一週間ほど過ぎたある日、T先輩が、A君の休職が長引くので彼の机とロッカーを
片付けるよう、S君と私に言いました。私は机を、S君はロッカーを担当しました。
私は、机の片づけを終えてA君の物を箱に詰め、ロッカールームに運びました。
すると、そこではS君とHさん、他の数人が集まり、携帯電話を囲んで談笑していました。

「これ、この前の年末になくした俺の携帯なんだけど、Aのロッカーに入ってたよ。
見てよ、このメール」S君が私に言いました。それは、A君がS君に送ったメールでした。
「続き見ようよ」Hさんが可笑しそうに言いました。

「2007年2月14日:俺、今年のクリスマスはHを誘う予定。あいつは俺に本気だ。
間違いない。そういや、最近、家の周りで女の子の二人組を良く見かける。どうやら俺に
気がある」S君が読み上げました。
Hさんは嫌悪感を隠さず、「気持ち悪すぎ、あのデブ。このまま死ねよ」と吐き捨てました。
私が、「日付が滅茶苦茶だよ?」と言うと、S君は「携帯が狂ってたみたい」と答えました。

「2007年2月18日:あの二人毎日来てる。夜、俺の部屋を見てる時あるし。絶対、
一人が俺のこと好きなんだ。Hが本命だけど、あれならOK。期待大!!」
「2007年2月19日:今朝、二人に声かけた。恥ずかしがって? 逃げた。マジ可愛い」
「2007年2月20日:今朝あの二人がアパートの玄関近くにいた。ちょっとストーカー
っぽいけど確定だろ? ラッキー」

S君はこれを読んだ後、苦笑しながら言いました。
「あいつ、この頃は四六時中、俺にこの二人の話をしててさぁ。本当うざかったよ」
誰かが、「つーか、警察に連絡しろよ。でも、変態だから死んでいいや」と言い放ちました。

「2007年2月21日:首が痛い。遅刻するってT先輩に伝えて。寝違えた」
「2007年2月21日:今朝変な夢みた気がする。あの女の子二人が、ワッカに二本の
鉄パイプの付いた道具で、俺の首を捻じ切ろうとした。あれは鉄の渦巻きっていう
拷問具に手を加えた感じ」

Hさんが、「うわ、拷問に詳しすぎる。ヤバすぎ」と言いました。ここでS君が、
「俺、この日に携帯を落としたから、この後は俺も初めて」と、楽しそうに宣言しました。

「2007年2月22日:首痛い。今朝ドアを開けたらあいつらがいた。何かやべぇ。怖い」
「2007年2月23日:お前無視してるだろ? 返事くれ。痛みが酷いから今日病院に行く。
午前は会議あるから、午後から半休とって帰る」
「2007年2月23日:なんで? あの二人がにいる。注意してくれ。鉄パイプ」

Hさんが、「ラリってる? 何、鉄パイプって。アホ?」と、気持ち悪そうに言いました。
「なんだこれ。何があったんだ?」と、他の人も少し戸惑っていました。

「2007年2月23日:今トイレ。外に何かいる。怖くて出れない。
鉄引きずってる音がする。怖い頼む。迎えにきて。早く」
「2007年2月23日:たすけてはやくまじ」

これが最後のメールでした。さすがに、誰も笑えませんでした。

「トイレって電波入るんだ」と、誰かが冗談ぽく言いましたが、皆、無反応でした。
あの日、A君はトイレで失神していました。
救急車へ運ばれる時、私も皆も、彼の状態を目撃しました。
彼の首は180度とまではいかずとも、かなり後の方に捻れて、正直、ありえない姿でした。

暫く黙っていると、Hさんが言いました。
「確か、Aが運ばれた日、男子トイレから二人の女の子が出てきたのが目撃されたよね。」
その場では、もう誰も何も言いませんでした。
S君は、21日付の「鉄の渦巻き」のメールを、考えを込む様にじっと見つめていました。

それから数日後、T先輩が再び従業員を集めて言いました。
「A君は入院が長引く為、長期の傷病休暇をとることになった。まずは半年だけれど、
とにかく、早い回復を願おう」

その日の昼食で、T先輩にもう少し話を聞くことが出来ました。
「A君は、症状が改善しないそうだ。両親と医者から聞いたけど、正直、社会復帰は
難しいらしい」皆、あれだけ悪口を言っていた手前、気まずい雰囲気でした。
すると、T先輩が少し小声で言いました。
「これは医者の話だけど。」さらに声を潜めて囁きました。「彼の首が、時々、あの日と
同じ様に捻れてるそうだ。原因は不明だが、自然にそうなるとは考えにくいって」

T先輩は、さらに一言付け加えました。
「A君は一人になるのを怖がり、誰かに殺されると、頻りに訴えているそうだ」
それを聞いた私達は、皆同じことを想像したと思います。
A君が一人になった時に何が起こるのか、何が彼を怯えさせるのか。

その日、S君と私は一緒に帰りました。S君は、暗い声で私に話しました。
「俺、あの日(A君が首を寝違えた日)、メールの日付が変な事をAに伝えた。そしたら、Aが凄い顔で
俺を睨んで胸倉を掴んで、「お前か?お前なんだろ。もうやめろよ!」とか怒鳴って、
俺に突っかかってきたんだ。首が痛かったから、あいつすぐに手を離したけど」

「何でそんなに怒ったのか分からなかった。2007年2月ってのを、凄い気にして、
あいつ最後は泣いてたよ。その後の二日は俺もちょっと気まずくて…。
携帯も失くしたし、Aとは話していない。なんであいつが俺の携帯を盗ったんだろ。
それに、自分のロッカーに隠しといて、その後も俺にあんなメール送るのは・・・。」
S君は、必死に考えをまとめようとしていました。

「実はね。」S君が最後に付け加えました。
「怒り出す前に、あいつが俺に相談したことがあるんだ。ネットでトラブったとか何とか。
俺は、そんなのは気にしないで、とにかく病院に行くように勧めたけど。」

私は、A君のメールを思い出しました。彼に付きまとっていた二人の女のことをです。

A君が救急車で運ばれたあの日から1年以上経ちますが、彼は依然入院中です。
事件の後、あの男子トイレのそばで怪我をしたり、失神する人が何名もいました。
そんな経緯から、その男子トイレは、以来ずっと閉鎖されたままです。

彼らは、皆一様に、男子トイレから出てくる見慣れない女性を見たといいます。
怪我や失神をする少し前に、長髪の美女と髪を結い上げた美女を見かけたと。
また、ガラガラと何かを引き摺る音を聞いたという人も少なくありません。
そのトイレは閉鎖された今でも、「呪われた男子トイレ」として恐れられています。

一方、女子従業員の間では、別の噂も流れています。
女子トイレの真中のドアを開けると、首が後方に捻じ曲がったA君が座っていて、
助けを求めて抱きついて来るというのですが、これは流石に悪質な冗談でしょう。
しかし、真中のトイレを使う人は誰もいません。

今回、当時の私の日記と記憶を元にやり取りを再現しましたが、不明なことばかりです。
中でも、A君が2007年2月という日付に異常に反応した、という点がとても気がかりです。
どこぞの恐い映画の様に、あのメールが何かを暗示しているのではないかと。
来年、A君の身に本当に悪いことが起こるのでは、という不安を覚えます。
しかし、仮にそうなっても、同僚に彼の不幸を悼む人はいないと思うと、
私は、やるせない気持ちになります。
すべては単なる偶然なのかも知れませんが、社内ではかなり恐い噂になっています。

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Comment

  1. より:

    別に2人じゃなく1人の謎の女だけでもよかったんじゃね?

  2. 名無し より:

    女一人では男の首をねじれるほど腕力ないし

  3. まさ より:

    周りの連中、くずだな。 Sって野郎も大嫌いだ

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