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バス停の女[2]

公開日: : 怖い話 |58 view

二度目
その翌週の金曜日。またもや帰宅が遅くなった孝史は、先週の事を思い出しながら
車を走らせていた。あぁ、この先のバス停で… と、思ったとき
あの時の女の子がバス停に座っている。
間違いなくあの子だ。孝史は迷う事なく車を停めて声をかけた。
孝史を待っていたらしい。少しドライブに行く事にして、お互いの事を少し話した。
美奈は実家に住んでいて、妹が一人。家は自営業らしい。おばあちゃんも一緒に住んでいる。
彼氏のような人はいたが、曖昧なまま捨てられてしまった事。(前回、雨の中待っていたのはその男だったらしい)
そして、当たり前のようにラブホに入った。
美奈の身体を堪能し、また元のバス停に送る。

三度目
また次の週の金曜日。孝史は一度帰宅していたが、美奈の事が気になって夜遅くなって例のバス停に向かった。
当たり前のように美奈が座っている。また声をかけ、人気のない所にドライブする事になった。
そして、車の中でのSEX。そして、また例のバス停へ。

こんな事が二ヶ月ほど続いた。

本来ならここまで続けば付き合う話になりそうな物なのだが、孝史はいまいち踏み込めない部分があった。
美奈の陰の部分、どこか深入りするのが怖いような…。
具体的には、会うたびに何か孝史の持ち物を欲しがる。使っている100円ライターだったり、有料道路の通行券だったり、もう使っていないインクの切れたボールペンだったり…。
価値があるとか無いとかではなく、孝史の物ってだけで満足そうなのだ。
それに、孝史は今まで一度も避妊していない。美奈はおとなしく従順なのだが、避妊だけはかたくなに拒む。
孝史は何か裏があるのでは、と恐ろしくさえ思うようになっていた。
そんな事情もあって、孝史はまだフルネームも住所も連絡先も教えていなかった。車のナンバーから調べれば、分かると言えば分かるがそればかりはどうしようもない。

そう思ってる矢先、長期出張の話があがり三ヶ月ほど県外に出る事になった。出発は次の木曜日。美奈に伝える方法も無いし、この際縁を切ろうと思っていた。
ばたばたと出張の準備をする中、携帯が鳴った。一つ上の会社の男の先輩からだ。
「なぁ、誰か女紹介してくれよ」単刀直入に言うとそんな内容だ。強引でわがままな先輩の頼みに困っている時、美奈の事を思い出した。
自分が出張中に車を貸すから、この時間帯にここを通るといいですよ、と。

そして、孝史は木曜日に予定通り出張に出かけた。

ここからは先輩の話。
言われたとおり、例のバス停に向かった。その日は雨だったのだが、傘もささずに女の子が座っていたらしい。
欲求不満の先輩は、女の子に声をかけた。簡単に乗り込んでくる彼女。
先輩は彼女がおとなしく無口な事をいい事に、すぐにラブホに連れ込んだ。たっぷりと楽しんだ後、帰りの車の中で彼女がこの車の持ち主について執拗に知りたがる事をうっとおしく思いだした。
もちろん、持ち主について語るという事は、自分の身元もばれる事に繋がる。
先輩は、避妊しなかった事で一夜限りで逃げたかったのだ。適当にごまかしたり、嘘を教えたりしながら帰路についていた。
途中、煙草を買うためにコンビニに寄る事になった。彼女は助手席に乗ったまま。
ところが、煙草を買って戻ってくると彼女がいない。例のバス停まで近かった事もあり、歩いて帰れる距離だったんだろう。と、楽観的に考えた。
なにせ、先輩にとっては面倒はごめんだったから、都合良かった。
話はそれで終わり。

車は、孝史の駐車場に停め、先輩もその後短期の出張があったり、元カノとよりを戻したりで孝史の車を借りてナンパする事もしなかった。

その後、孝史は出張から戻ってくる。
久しぶりの自分の部屋。
もちろん、出かける前と特に変わった事は無い。
トイレに入った時、ティッシュペーパーが切れている事に気が付いた。
そして、近所のショッピングセンターに行く事になる。

買い物を終え、荷物を入れようとトランクを開けたとき、異常な光景を目にした。

トランクを開けた裏側の部分、ちょうど荷物を載せようとした目線の正面に
「孝史孝史孝史孝史孝史孝史孝史孝史孝史孝史孝史孝史孝史孝史孝史孝史孝史孝史…」
何かでひっかいたように、孝史の名前が無数に刻まれていた。
そして、何故か無数の長い髪の毛。
美奈に渡したはずのインクの切れたボールペン。

それ以来、孝史は通勤路を変え、車も買い換えた。
買い換えた後、一度だけ金曜日の夜に例のバス停を通った。
バス停の陰に、誰かが立っていた…ような気がしたが、怖くて直視する事も出来なかった。

END(名称はフィクションですが、ストーリー自体はノンフィクションです)

友人から聞いて、ずっと投稿するか悩んでいた話です
ちなみに、そのトランクの内側の状態は自分でも見ました。
見た瞬間、鳥肌が立ちましたけどね。

名前に関しては実名はまずいと思ったので適当につけたんですが
女の子の名前に間違い(統一してない)ところがあったのは校正ミスです。ごめんなさい。

ちなみに、もちろん友人は住所も変わり駐車場も別の所になりました。

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